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フリーランスの単価の決め方とは?月額平均単価相場や手取り額、高単価案件を獲得するコツを解説

公開日:2025/07/09最終更新日:2025/07/10

フリーランスとして働いていると、労働時間に対して収入が少ないと感じたり、自分を安売りしていると感じたりすることがあります。あるいは、フリーランス歴が長くなれば、高単価の案件をそろそろ獲得したいと思うものです。


フリーランスは収入が青天井ともいわれていますが、年収が自動的にアップするわけではありません。自分のスキルを高め、より単価が高い案件に応募したり、クライアントに単価交渉を行ったりすることで収入がアップします。


本記事では、フリーランスの単価の決め方を確認した上で、フリーランスの単価の平均、フリーランスが高単価を獲得するコツなどを解説します。


1.フリーランスの単価の決め方とは

フリーランスの単価は複数の要因によって決まりますが、工夫やスキル次第で単価を短期間のうちに飛躍的にアップすることも可能です。


フリーランスの単価の決め方として、以下の5つの方法が挙げられます。

  • 単価相場に合わせる

  • スキルや経験を考慮して決める

  • 会社員時代の年収に合わせて決める

  • クライアントの予算に合わせて決める

  • 時給換算して決める

それぞれ確認していきましょう。

単価相場に合わせる

フリーランスとして働き始めたばかりの人、自分が請け負っている案件の単価が高いか安いか分からない人は、業界の相場を確認してみてください。単価相場は本記事でもこの後説明しますが、同業者に聞いてみるのも1つの手です。


フリーランス初心者の方は単価相場、もしくは単価相場をやや下まわる金額でまずは業務を引き受けてみることをおすすめします。実績を得るまでには条件の良い案件はなかなか受注できませんが、こうしたことは他の業務においてもよくあることです。経験や実績が増えれば、より高い単価の案件に挑戦できます。

スキルや経験を考慮して決める

スキルや経験に自信がある人は単価相場に関係なく、自分で適正価格を決めてもよいです。自分が設定した価格が業界において割高であっても、クライアントを満足させることができれば、その金額が適正価格になります。


相場以上の金額を支払ってでも、質の高い仕事をしてもらいたいと考える企業や個人は多くいます。こうした層に対して主にアプローチし、仕事を受注する方法もあります。

会社員時代の年収に合わせて決める

会社員からフリーランスに転身した人は会社員時代の年収を参考に決めるのがおすすめです。会社員時代の年収を大きく下回るのであれば家賃などの固定費の見直しが必要になります。


ただし、会社員とフリーランスでは年収の算出方法は異なりますので注意してください。会社員とフリーランスが同じ年収の場合、会社員の方が自由に使えるお金は多いと一般的にいわれています。フリーランスは案件の単価(所得)の全てが手取り額になるわけではなく、社会保険料や税金を支払わなければなりません。


また、フリーランスには家賃補助などの福利厚生はありません。さらに、収入が途絶えるリスクもあるため、仕事がなくなったときに備えるためのバッファ分が必要です。

クライアントの予算に合わせて決める

スキルがいくら高くても、クライアントにその金額を支払えるだけの資金力がなければ契約に至らないものです。予算を上回る金額を支払えるだけの価値を提供できる自信があっても、企業といえどもない袖は振ることができません。日本のほとんどが中小企業であり、予算に上限があることを忘れないようにしましょう。


予算が十分にある企業のみをターゲットにする手法もありますが、それではアプローチできる企業に限りがあります。さまざまな企業と契約を結びたいのであれば商談時に予算を聞き、相手の予算を考慮して価格設定を行うなど柔軟な対応が必要です。

時給換算して決める

単価が高い案件であっても時給換算すると、意外にも低かったということは多々あります。


例えば、クライアントとのやり取りや修正対応が予想以上に多い、要件定義の曖昧さによる追加作業の発生、テストやデバッグに長時間を要する場合、仕事が長引き、結果として時給が下がることがあります。


こうした事態を回避するには仕事内容を事前に細かく確認するのはもちろん、追加業務が発生した場合の追加報酬の有無についてもチェックしておく必要があります。

2.ITフリーランスの月額平均単価と年収

フリーランスといってもさまざまな職業があるため、単価の平均は従事する仕事によって異なります。


以下の表に、主要な職種のITフリーランスの月額平均単価と年収をまとめました。ご自身の単価設定の参考にしてください。

職業

月額平均単価

年収

ITコンサルタント

108.4万円

約1300万円

PMO

92.9万円

約1114万円

データサイエンティスト

81.9万円

約982万円

AIエンジニア

80.8万円

約969万円

フロントエンジニア

77.1万円

約925万円

バックエンドエンジニア

75.1万円

約901万円

インフラエンジニア

74.3万円

約891万円

デジタルマーケター

73.0万円

約876万円

Webデザイナー

72.0万円

約864万円

UI・UXデザイナー

70.8万円

約849万円

システムエンジニア

65.3万円

約783万円

出典:フリーランスボード(2025年6月時点)3.フリーランスの単価と手取り

フリーランスの単価と手取りは異なります。例えば、月額単価50万円の案件を受注すれば、生活費や好きなものに50万円使えるわけではありません。月額単価として50万円支払われたとしても、経費や各種税金などを支払うと自由に使えるお金は少なくなるためです。


フリーランスが所得から支払うよう義務付けられている税金・保険には以下のものがあります。

税金・保険

月額

年額

国民年金

1万7510円

21万120円

国民健康保険

5467円~7万4167円(東京都新宿区の場合、年収によって異なる)

6万5600円~89万円

所得税

・1000円から194万9000円まで:

 5%(控除額0円)

・195万円 から 329万9000円まで:

 10%(控除額9万7500円)

・330万円 から694万9000円まで:

 20%(控除額42万7500円)

・695万円 から899万9000円まで:

 23%(控除額63万6000円)

・900万円 から1799万9000円まで :

 33%(控除額1,536,000円)

・1800万円 から3999万9000円まで:

 40%(控除額279万6000円)

・4000万円 以上:

 45%(控除額479万6000円)

住民税

所得の10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)+均等割(標準額5000円)

個人事業税

(事業所得-事業主控除290万円)× 税率

(業種により3%~5%(IT業は5%))

消費税

売上の10%(課税売上高が1000万円以下の場合は免税事業者)

介護保険料

(40〜64歳)

約610円~1万4167円(東京都新宿区の場合、前年の所得に応じて異なる)

約7,300円~17万円(上限)


例えば以下のような方の手取り額を実際に計算してみましょう。

名前: 山田太郎(32歳・男性)

居住地: 東京都新宿区

職業: フリーランスWebエンジニア

年収: 600万円

婚姻状況: 独身・扶養家族なし

主な仕事: Web制作・システム開発

経費: 年間100万円(PC機材・ソフトウェア・交通費等)

確定申告: 青色申告(65万円控除)

所得税

約22万6500円

住民税

約33万1000円

国民年金

21万120円

国民健康保険

約43万円

手取り年収額

約380万円(月額:約31.6万円)

4.【案件獲得方法】エージェント経由と直請けの違い

フリーランスが案件を獲得する主な方法としてエージェント経由と直請けがあります。フリーランス経験が浅い人にはエージェント経由がおすすめで、フリーランス経験が長い人や人脈がある人には直請けがおすすめです。


フリーランスはエージェントに案件について相談することで、自分のスキルに合った案件を紹介してもらえるため、案件に採用される確率がアップします。また、実際の業務が求人内容と大きく異なった場合などはエージェントが相談にのってくれることもあります。


一方、直請けは自分で企業にアプローチし、案件を獲得する方法です。案件獲得には営業センスや高いスキルが問われるだけでなく、業務においてトラブルが起きた際には自ら対応しなければなりません。ただし、エージェントを通さないため案件の単価が高い傾向にあります。また、自分で希望する企業にアプローチして仕事を獲得するため、応募できる企業の選択肢が無限にあります。


エージェント経由と直請けの特徴を以下の表にまとめました。

エージェント経由

直請け

案件獲得の難易度

中~高

単価

案件によって異なる

中~高

案件受注の難易度

案件の選択肢

エージェントによって異なる

トラブル発生の可能性

サポート

エージェントによって異なる

なし

フリーランスとして働くことに自信がない人はエージェント経由で仕事を始めることをおすすめします。仕事に慣れてきたら直請けメインに切り替えることも可能です。

5.フリーランスが高単価案件を受注するコツ

フリーランスが年収を勤務時間を変えずに上げるには、単価が高い案件を受注する必要があります。フリーランスの場合、単価が自動で上がることは少ないため、自身で単価アップに向けて動く必要があります。


フリーランスが高単価案件を受注するコツとして、以下の4つが挙げられます。

  • 適切なタイミングで単価交渉を行う

  • スキルアップし、市場価値を高める

  • 上流工程・マネジメント案件を受注する

  • フリーランスエージェントで案件を探す

それぞれ確認していきましょう。

適切なタイミングで単価交渉を行う

フリーランスは既存のクライアントに単価交渉を行うことで、単価がアップすることもあります。ただし、単価交渉を行う際はタイミングを誤ると、先方の気分を損ねるリスクもあるため注意が必要です。


フリーランスが単価交渉を行うタイミングとしてもっともおすすめなのが、契約を更新するタイミングです。契約更新は仕事が高く評価されている証と捉えて問題ありません。そのため、単価交渉についても前向きに検討してもらえる可能性が高いでしょう。また、契約更新はお互いが業務を総括するタイミングですので、単価を見直すのにもベストなタイミングです。


案件が追加され、仕事量が増大したときも単価交渉におすすめのタイミングです。フリーランスにとって案件追加はスケジュール調整も発生するため手間がかかりますし、場合によっては他の仕事を断らなければなりません。こうした手間を鑑みても、単価アップをお願いしてみるのがよいです。

スキルアップし、市場価値を高める

高いスキルを保有しているフリーランスは高単価の案件を受注しています。世の中には可能な限り低価格で発注したいクライアントがいる一方、相場以上の価格を支払っても質の高い仕事をしてくれるフリーランスに依頼したいクライアントも存在します。


例えば、自分のスキルを証明できる資格を保有していたり、豊富な実績があったりすると、クライアントは「この人に多少割高でもお願いしてみよう」「この人にお願いしておけば間違いない」と思ってくれます。


また、同業のフリーランスの中でも高いスキルを保有していれば、案件獲得の争いに巻き込まれにくくなります。

上流工程・マネジメント案件を受注する

システムエンジニアなどIT系フリーランスは上流工程やマネジメント業務を受注することで単価をアップできることもあります。例えば、システムエンジニアであれば要件定義や外部設計、スケジュール管理などの業務は開発業務よりも収入を増やしやすいです。


上流工程の仕事では豊富な経験や実績、深い知識、高いスキルなどが求められます。経験年数の浅い人が上流工程に突然にして携われることはほとんどありません。また、プロジェクト成功の鍵を握る立場であるため責任も重くなります。

フリーランスエージェントで案件を探す

フリーランスエージェントは数々の案件を取り扱っています。初心者向けの案件だけでなく、高いスキルを保有する人を対象にした案件を取り扱っているフリーランスエージェントも多数あります。


一般公開されていない優良案件を取り扱っているフリーランスエージェントもありますので、高単価の案件を受注したい人はフリーランスエージェントの活用をおすすめします。


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6.フリーランスの単価100万円は現実的か?

フリーランスといってもさまざまな職業がありますので一概にいえないものの、単価100万円の案件獲得は現実的な話ではあります。


フリーランスの中でもエンジニアは100万円前後の単価の案件は少なからず存在します。ただし、単価が高い案件は下流工程ではなく、PM・PMOやITコンサルタントといった上流工程の仕事がほとんどです。その他にも、ブロックチェーンエンジニア、機械学習・AIエンジニア、IoTエンジニアは案件の単価が高い傾向があります。


また、フリーランスにはライターやイラストレーター、オンライン秘書などさまざまな職があります。これらの仕事には単価100万円の案件はほとんどないため、100万円で依頼してもらえるような一握りの人材になる、もしくは複数の案件を掛け持ちして稼ぐことになります。

7.まとめ

フリーランスの生活水準を決めるのは案件の単価といっても過言ではありません。単価が高い案件を受注できれば、収入が安定するだけでなく、生活に余裕が出ます。


案件の単価をアップさせたいのであれば、現在の状況に満足するのではなく、高単価の案件を探したり、クライアントに交渉したりと努力も必要です。また、高単価の案件を受注するにはそれ相応のスキルが必要であることも忘れてはなりません。


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。


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フリーランスの単価は何で決まりますか?

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会社員とフリーランスの手取り額の違いは?

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フリーランスが支払うべき主な税金や保険は?

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この記事の監修者

笠間 慎

大学卒業後、人材紹介会社にコンサルタントとして従事。フリーランスとして独立。その後、フリーランス案件サイト「フリーランススタート」の立ち上げに編集長兼ライターとして参画し、月間30万人が利用する人気メディアへと成長させる。2024年に「フリーランスボード」の編集長に就任。2025年より、ギョーテン編集長に就任。自身の経験を元に、フリーランスの活躍を支援する情報を発信している。

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目次

1.フリーランスの単価の決め方とは

単価相場に合わせる

スキルや経験を考慮して決める

会社員時代の年収に合わせて決める

クライアントの予算に合わせて決める

時給換算して決める

2.ITフリーランスの月額平均単価と年収

4.【案件獲得方法】エージェント経由と直請けの違い

5.フリーランスが高単価案件を受注するコツ

適切なタイミングで単価交渉を行う

スキルアップし、市場価値を高める

上流工程・マネジメント案件を受注する

フリーランスエージェントで案件を探す

6.フリーランスの単価100万円は現実的か?

7.まとめ